カブトムシ赤仙人とは私のことだ。

昨年
カブトムシ達が成虫になったのは7月最初の週〜半ばだった。
6匹のカブトムシのうち、4匹がオスだったが、どの個体が何日で最初だったか
記憶にない。

が、しかし。
以前、記載した赤いカブトムシの小さい方のオスは、まだ生きている。

ちょっと、驚きである。

この個体は既に前後の足のフセツが4つ無い。
そこで、嫌いな人にも耐え得る写真にし、冬っぽくデコッてみた。(意味なさすぎ)20150117

今日の時点で1月19日。つまり一番最後に羽化していた個体だとしても
7月15日〜1月19日、半年以上生きている。
昔に比べ、エサや環境により寿命がのびているとしても
一般的には6月辺りに羽化し、9月か10月には死んでしまうと考えられる。
気温の関係で自然界の秋、冬には耐えられないのは当然で、室内の温度なら長生きも可能とは言えるが
それでも自分の考えでは、12月には皆死んでしまうだろうと思っていた。
それにそう決め込んで12月半ばにはエサも買っていなかった。年を越す事はないと勝手に思っていたのだ。
嬉しい誤算だ。で、願いを込めて多めに購入した。

皆ほぼ同時に産まれており、幼虫の時代はさほど変わらない大きさだった。
他のカブトムシはほとんど11月後半〜12月中に天に召された。
この個体の前には、一番大きい、羽の少し閉じない個体がギリギリまで元気だったが
急激に動かなくなり、逝ってしまった。それでも5ヶ月少し。既に長寿である。
そして生き絶える間際には相当動きが悪くなり、ほぼ1日触覚だけが動く日もあった。

が、なぜだろうか。
この 赤2号(だっけか?)だけは、皆が息絶え絶えで12月前後で死んでいったのとまるで違い、
1月に入ってなお、すごい力で指を押し上げ、暖かい日にはケージを引っ掻いている。
例の、死の直前に暴れるそれとは違う、まだ生命力のあるものだ。
しかし勿論真夏のブンブン飛んでいる時とは明らかに違う。力は確実に衰え、足の出も悪い。
それでも珍しいと言う他ない。

なので名前を付けよう。赤2号→赤仙人。

状態はというと、前足と後ろ足の両方のフセツは12月後半に失くしたものの
エサは毎日食べている。
たまに転んでいるが、自分で起き上がるか、そのままひっくり返って朝になった日があるはずなのに
(実際朝見てそういう場面があった)何故か元気に生きている。

何が違うのか、自分の環境で長寿になった理由を考えてみた。
そこで実体験として分かったことがある。

1/まず温度だが、夏の昆虫(昆虫の成虫は基本夏だが)であるが故に
暖かくしていなければすぐ死んでしまうイメージがあるが
実はそうでもないようだ。つまり室温であっても暖房を入れずにいる真冬ならかなり低温だが
その間は逆に動けないので無駄な体力を使っていないようなのだ。
仮にひっくり返ってももがけないのではなかろうか(しかしそれは低温で死ぬのと紙一重の賭けだな)。

2/水分。水を舐める事は知っていたが、エサ(ゼリー)を食べない時にも、
霧吹きで出来た水滴を舐めている。
手の平に置いたゼリーを舐めさせた後、気に入らない顔をしたので水滴を舐めさせたが
エサとの選択で、水を舐め続けた。喉が渇いていた(彼らにとって正確な表現ではないが)的な行動だった。
乾燥し体液も減るし、甲虫の体、器官には、乾燥を防ぐ為に直接的に水が必要なのではないだろうか。
無論、乾燥は命取りである。だから霧吹きするのだが、舐めさせる為ではなかった。

スイカは水分が多いから良くないとか、実しやかに語られているが
それだと水分を摂らせる方法が「適度な水分量のエサのゼリーからで十分だ」という解釈にも
なりがちな気がする。実際自分がそうだった。(スイカばかり、ではいけないだろうが)

3/たまに触ってやる。
メスを求めて交尾のような行動をとるし、ストレスになるので良くない
という意見がほとんどではないだろうか。
甲虫が人間に触れられて良いことなどあろうはずがない。と、思ってはいたのだが
自分の性格からしてそうはいかんぜよ。

エサを与える為に一旦どかせる為にカブトムシを手に持ったまま片手で作業をし
戻す時もあればそのまま手のひらに置いて眺めている事もある。

特にこの個体は、一番気に入った個体なのでその回数も多かったと思うし
実際今でもそうしている。
手に乗せれば当然ジージーと音を出している。あまり多くてもいけないが
少しばかりそういう温もりのようなものがあったほうが良いのかもしれない
(仮想メス)
と思える結果となった。しかしこれはあくまで個人的な感覚でしかない。

尚、この個体は過去にメスと交尾している。

4/これ以降はごく当たり前な要素でしかなく、エサね。
この個体は、これだけ、しか与えていない。
■これだけ↓
20150118

ご覧のように義足をつけているがそれは後述。※1)

高タンパク/トレハロース入ってやつだ。(KBファームのプロゼリー)
カブトムシやクワガタなど甲虫類を飼っている輩なら大体皆知っているこのメーカーのゼリーは
最もメジャーなゼリーの一つ、と言っていい。
前年(一昨年)まではあえて他のゼリーも、なんとなく偏りの無いように与えていた。
但しこのゼリーをメインにしてはいたが
他の様々な栄養価の高いゼリーを与えてきた子孫がこの結果になった、と言えるかもしれない。

5/転ばない環境を作るのではなく、デコボコを多くし、転んでも起き上がれると「認識」させる空間が
ベターである。ってこれも結果論であり、自分の個人的な感覚でしかない。
しかし、気づいたことがある。
彼らは、少々弱って来ると、じっとしている時は頭を上にしている事が多い。
少し坂になっている止まり木で、頭はほぼ上側だ。あと、穴(凹み)にはまって垂直の姿勢で
そのままでいる時も。
これは、はまった時に出ようとして結果そうなっただけではなく、何か、頭が上のほうが
彼らの身体構造上都合が良いのではないかと感じる。平たい場所でじっとしているよりも
何故か、わざと狭い隙間に尻からはまり、垂直に立っている時が多いからだ。
平たい場所に移動させても結局その体勢を選ぶ。

転ばない平地よりも転んで立てる場所が多い方が気持ち?が安定し、平気でひっくり返っていられ
更に、尻を下にして頭を上に出来る→長生きに繋がる、というのが適当かつ勝手な持論である。

まあ、ケージの内容や大きさは、やはり晩年になれば変化させるべき、と思う。
初めはマットに潜れたり止まり木がきちんとあったり、ごく平凡で多少広めのケージが良いが
だんだんと止まり木は角度を緩やかにし、足を引っ掛けやすいものを多めに置いておくようにし
ケージは小さめにすべきと思う。この辺は皆やっていると思う。
晩年にはスペースは狭く小さくし、デコボコはあったまま、止まり木はほぼ水平で
水分は欠かさない、というのが良いのではないだろうか。

そして現在は、マットは外し、一番下に熱帯魚用だった木炭入りのフィルタを敷き
その上に人工芝を適当に切ったものを敷き、平らに置いた細い止まり木(両腕で掴める)、餌台、
小さい木のブロック数個転がしてある、という具合になっている。

6/ん・・それとやはり、お気に入りだった事からして、その情が彼の余命に少し影響しているとかなんとか。

※1)実はこの赤千人。私が予て試そうと思っていた「義足」を先日着けた。
と言っても、ごくごく簡易的な仕組みで、赤千人には申し訳ないのだが。
釣り針等で本格的に作る人もいるし、それが一番いいのだろうけれど
今まで自分はこの義足をつける、という作業までする必要は無い、と思っていた。
しかしこの赤千人は特別な存在となった故、試験的ではあるが着けている。

輪ゴムとスピーカーケーブルを剥いたものを前足にくくりつけただけのものだが
なかなか器用に周りに引っ掛け、爪代わりにして動いているので、そのままにしている。

■夜中に徘徊する赤千人(1/19)

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今回もカブトムシ一色になってしまった。。が
年越しカブトムシどころか、もうすぐフェブラリーカブトムシとなる仙人並みのカブトムシなわけで
今回もこの様な内容になった(のじゃ。)(語り/赤千人)

1日でも長く元気でいて欲しいものだ。