生きとし生けるもの

台風が大変だ。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

でそんな中でカブトムシは後ろ足を蹴り上げてメシを食っている。

ご存知ないか。
この件をウェブで調べると殆ど情報が出てこず
しびれているのだとか、後ろ足がマヒしてるとかその他色々で正確な情報が少ない。
生物学的には知らないが、餌を食べている際に、何か身体のシステム上
後ろ足を蹴り上げ、頭を突っ込むようなしぐさをする様だ。
彼らに感情があるか、又はどこまであるかはさておき
落ち着いて食べている時のみこの動作をする。喜んでいるかのように。
それは勿論、自然の中でのびのびと樹液を吸っているのが一番だが。
で、急にセミの話なのだが、
少し前初夏の頃、帰省した際に朝から爆音で鳴くセミに起こされた。
クマゼミの声。幼少若しくは学生の頃以来久しく聴いていなかった声。
うるさすぎるが実に気持ちの良い鳴き方で、成虫として生きて動き回れるうちに
自分の生きる理由を歌っているような気にさせられた。

関西ではメインな存在のようだが関東では珍しいと思う。ちなみに声は「シャアシャア」とか。
子供の頃、昆虫図鑑を3冊持っていてそう書いてあった。
寝る前まで同じ図鑑を読みなおしまくり昆虫博士と近所で呼ばれたが、
昆虫の名前ばかり知っていて実態はけっこうわかっていなかったと思う。
実際にきちんと飼ってみて初めてわかる事ばかりで、子供って結構残酷なんだな、と自分の事を
振り返ったりする。きちんと知らないまま適当な庭の土をカブトムシのマットに使っていたり
多数のクワガタやカブトムシをまとめて飼っていたりして秋前にはその頭が転がっていたりした。
自然に死んでバラバラになった可能性もあるが中には喧嘩の結果死んだ個体もいただろうに。
キュウリで済ませられた結果はや死にした個体も、餌が足りずに一生を終えたのもいただろうに、と。

そこで命の大切さ。人も生き物も、先ずはきちんと食べていかなければ生きられない。
そしてその生態の特性が発揮される環境を与えなければならない。
だから今は、というわけではないが、個体が何を求めているのかに敏感になり
餌が気に入らないのか、マットが嫌なのか、余計な掃除をしてしまったのか等とつい色々考え
とっかえひっかえしてしまう。
その昔イグアナのグリフがいた時は、自分の家計がピンチで飯が食えなくても
医者に連れて行ったし、出来るだけ不自由ないように環境を整えようとしていたと思う。
まあそれは生き物を飼う上で当たり前と言えば当たり前と大勢に叱られそうだな。
己の都合で不自由させてはいけない。必要なものを奪って左右してはならない。
そこで初めてベストな距離が出来るのが生き物同士というもの。
欲しいもの、一番必要なものは何か。
カブトムシもセミも自分も、生きる上でそれを無くすわけにはいかない。