フェブラリーカブトムシによせて

2月半ばになってしまった。
ついにカブトムシが2月半ば生きている個体が現れた。
勿論、ピンピンしてるとは言い難いが、まだフセツはほぼ残っており
足の力も多少ある。

年末あたりは、まあそんなこともあるかなくらいだったのだが
ここまで来ると奇跡的とも言いたくなる。
年末に、賀正カブトでも入れるか、なんて言ってたのが
それどころか2月だ。
幼虫はすくすくと育っており
まさかの成虫での親子(親戚)対面、とはいくまいが
7月の成虫が2月に生きているって聞いたことない。(よね)

そして、長く生きていなくなった成虫達は、例の「暴れ」がなく
静かに逝く。

ただ、長く生きても
夏を謳歌しているわけでもないのだから孤独なんだろうと思う。

201702KABU


彼♂を見ていて最近よく思う。

人も結局、「本当の、仲間」なんかいないんじゃないか。
む。暗いな。だってね
誰も自身の事に精一杯で、面倒なことは面倒だし
合理的かつ利己的に生きながら
自分は自分はとどこかでうまく世の流れにのっていようとするけれど
どこかで陰口言っていたりと
今更ながらなんかそういうのを見聞きするだけで疲れてしまう。

便利で皆少なからずコミュニケーションの手段として
必要としているであろうSNSでは
自分でなければ一方で人を簡単に罵ったり傷つけたりするのに平気だったり。

先日、電車に乗り
年配の女性が横に座った時のこと。
いわゆるシルバーシートが空いていたので座ったが
端末を開いたその瞬間である。
「トントン」と腕を軽く叩かれ、
彼女が正面の壁を指差した。しかもとても穏やかな笑顔で。
「携帯の電源は~」と、今更言うまでもないことが書いてあるわけで。
「あ」と声を発して、会釈し端末をしまった。

そこは「優先席で電源切る必要の有無」の話ではなく
電車内でのマナーの意識の話なので念のため。

何故だか清々しい。怒られたというほどでもないのでナンだが
今更ということ、ほどに、学ばねばならない。

きっともうすぐ逝ってしまう小さな命を目にしながら
少し考えたりして。

えらく爺さんになった時も
ただ、どうあれ学んでいられるだろうか。
普通に、思いやりをもって生きていられるだろうか。